ワタル

面白いし、何よりわたくし好みの内容じゃないですか。国が絡む謎の組織に依頼を受けた少年少女が謎の敵と、それも現実世界のコピーみたいな結界の中で戦ったり、一見現実世界っぽく見えるけどSF的な超技術を有するパラレル日本だったり、すごく好みの題材です。主人公たちの使う超技術の説明に、同じ技術が一般人の買い物にさえ使われているというシーンが使われるとか、なかなかにSFとしても楽しめました。 カッコイイ魔法にお金という現実的な代償がともなうリスクが、そのままバトルシーンと日常シーンのギャップを生んでいたいたりも良い構成だと思います。ギャグと思われていたちょっとした台詞(マルチ商法とか)が意外にも伏線になっていたりと、文庫本一冊程度(であろうと勝手に推測)の文字数制限をふんだんに活かした起承転結があったなあと。 ヒロイン達も個性豊かで、プロローグの章で読者たちが「俺はこの子好き」「僕はこの子いいとおもうなあ」と、その作品における「嫁」あるいは「推しメン」をパッと選べるようになっているのも上手ですね。 ただ、プロローグでは「やや(約一名はガチで)スケベな女の子たちが朴念仁な主人公を狙い合っている」かのように見えるのが、その後の章以降では「ピュアな女の子たちを主人公がエロい目で見つつ友情を育みチームとして困難に立ち向かう」という方向へと不自然に逆転しているかのようにも見えました。(一気読みしたせいか、わたくしの勘違いかもしれませんが) ご想像の通り俺はラン様を選びました。尺の都合上登場シーンが少なかったり、掘り下げのなかったヒロインも多かった中、後半かなり見せ場&内面が描かれていたりして良かったです。(逆に二話以降空気にならないか心配だったりもしますが) 親友兼ボスの長井君も、主人公というフィルターを通せばいいやつ&違和感というか犯人らしさを感じさせないようにしながら、傍から見れば(そして読者としても薄々と)こいつだろうっていうのを絶妙に臭わせていたあたりがいい演出でしたね。ただ、もう少し主人公含む魔法使いへの憧れだとか、そういった部分が前半の日常パートでも滲み出ていればよかったかなあと。(あなたも自分の作品の親友兼ボスキャラで似たようなことやらかしてるじゃないかというツッコミはなしの方向で・・・・・・経験者は語るってやつです)
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閲覧、レビューありがとうございました。 ご指摘の点、関係の捻じれ、憧れの滲み出し、本当にその通りです。 僕自身も気にはなっていた箇所でもありますので、また修正していきたいと思います。 この作品を書くにあたり経津丘高校の存在が念頭にあったのは秘密です。 三話か四話での完結を目指しておりますので、第二話以降もまたアドバイスいただければ嬉しいです。 ありがとうございました。

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