桑名 銀天

一回目は良く分からないけれど二回目に読むと真相が良く分かるし伏線が対応していることにも気付かされます。そういう意味ではこの短さが良いですね。 特に雪路が浮気したのに気付かなかったのは妻が入れ替わっていることと繋がっていると分かった時には鳥肌ものでした。 嘘を吐いているが故の距離感がゾクゾクします。 一番の被害者は旦那さんなんだろうなあ。でも彼は真相を何一つ知らないし、何かを察する勘の鋭さもない。 だから意外にも、悲劇の中心にいながら何も知らない彼が実は一番幸福なのかも知れません。 あとがきで文章を削ったと書かれていますが本当に削りすぎです。 明里が妹の代わりに職場に行ったそうですが、部外者が入っても問題ない仕事というのが気にかかりますし、何より咲樹の仕事がどうなるのかが腑に落ちません。事故後も含め、そこは残しておくべきでした。

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