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幾何とマンドラゴラ
一ノ瀬 八雲
2014/7/12 21:54
先ずは、イベントお疲れ様でした。 タイトルに惹かれページを捲り、驚きました。 難解極まりないネオ幾何学を、この様に分かり易く説明されている物を、今まで読んだ事がありませんでした。 単にネオ幾何学を説明するだけでなく、そこにミステリーやコメディを足すという荒技は、流石です。 しかし…。 読み進めて行く内に、途中でお腹一杯になった感も否めません。 理由は、物語の調理法方だと思います。 例えるならば、大手チェーン店料理の様に、セントラルキッチンで大半の調理を済ませ、あとは、調理経験が乏しい人でも、同じレベルの料理を提供出来る、あの仕組みに似ています。 ネオ幾何学は、それまでの幾何学を超える学術です。 勿論。これほど分かり易く説明されている物はありません。 しかし。一つの作品、物語という視点から見ると、この構成は頂けません。 殆どの事が、前半部で片付けられてしまっていて、ネオ幾何学の『味噌』となる部分は、最早、どの登場人物でも解けてしまう構成では、せっかくの物語が台無しです。 あくまで、私個人的な考えですが。 例え、大手チェーン店であろうと、地域によって味付けや飾り付けを変えなくては、面白みに欠けてしまいます。 例えば、新潟で食べたハンバーグ定食を、京都や鹿児島、北海道などで同じ味であったのならば、満足度は半分でしかないからです。 やはり、ご当地らしさがないと。 登場人物の『老学者』『天才少女』『マンドラゴラ』『教祖』『CIA』… それぞれに『らしさ』を付けないと、全て同じ人物と思われてしまいますよ。 前半で回収しきってしまった伏線を、もう少し散らばらせると、もっとハラハラドキドキしながら読めたかなと思います。 作者のこれからの成長を祈って、敢えて批判的なレビューをした事を、どうかお許し下さい。 ネタバレになってしまいますが、ネオ幾何学の結晶が『マンドラゴラ』だったとは、目から鱗でした。 またそのマンドラゴラを目覚めさせる為のコマンドが『上上下下 左右左右 BA』だったのには爆笑しました(笑) (★)
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一ノ瀬 八雲