う~ん、面白かった。  いや、単純な面白さじゃないです。  あらゆる角度から面白かった。  まずリアルなSF作品としての面白さ。  これは、驚くほど豊富な知識と緻密なロジックが無ければ書けない。  次にファンタジックな面白さ。   これは柔軟な発想と豊かな感性が無ければ書けない。  そして最後に社会派小説としての面白さ。  これはもう、人間力と信念の賜物と言うしか無い。  壮大なスケールのスペース・ファンタジーは読者をワクワクさせて、夢の中へと引きずり込む。  が、この作品はここで安易な感動を許さない。  残酷なラストは読者に我々人類の愚かさを再認識させ、商業主義に毒されてしまった現代社会への警鐘を強烈に打ち鳴らす。  う~ん、凄い。    私は原発問題に対しては中々答えを出せずにいたのですが、『幻想のイーター』と、この『見えない星』を読んで、答えが見えたような気がしました。  賛否両論渦巻くこの問題に、これらの作品から答えを見つけた、という読者は私以外にも多分居るでしょう。  天川さんの小説は読者の人生観に強い影響を与える。  そして、読者の人生観に影響を与えるということは、数億分の一かも知れないけれど、地球の未来の方向を変えるということになる。  う~ん、凄い。  唸るしか有りません。
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こんにちは。 嬉しいレビューを、ありがとうございます。m(__)m いや、有り難いレビューと言うべきでしょう。 マッシーさんの読解力に敬意を表します。 この作品に込めた想いを、漏れなく理解されて、的確なレビューを寄せられました。そして過分な激賞を頂きました。 素直に嬉しいです。 小説というものは読み手の感性で、評価が分かれます。 かつて、ネット上の掲示板が流行った頃、10年も前の話です。私は原発を1基ずつ減らすべきだと主張し、論戦したものです。 当時は、「とんでもない! そんな事をしたら、電力不足に陥って、このネット上での意見交換すら、出来なくなる。杞憂だ。もっと現実的

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