ヨシカワ

それぞれの事情から「恋愛」というものを苦手としている男女が織りなす、純愛小説。こういうタイプの小説はほとんど読んだことがないのですが、文章がいきいきしており、最後まで物語を楽しむことができました。 男女の視点を入れ替えながら、二人の心理描写を中心として物語を進めていくシンプルな構成ですが、ラストに至るまでいろいろな伏線が張られ、読者を飽きさせない工夫が凝らされています。 藤乃川先生は、堅物の象徴として、「哲学教授」という設定となっていますが、リアリティ(カント学者らしさ)に欠けるのがちょっと惜しいかな。 藤乃川先生が、「純粋理性」、「コペルニクス的転回」、「先天的(ア・プリオリ)観念」といった、いかにも「カント」的な概念を使って恋愛を語り、瑠夏(と読者)が困惑するといったようなシーンがスパイス的に加えてあったりすると、「恋愛ベタな・浮世離れした哲学教授」という設定がより生きてくるような気がします。 というわけで、★は4つということにしておきます。 スマホ小説大賞2014の発表間近ですが、いい結果が出るといいですね。
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ヨシカワさん。 作品を読んでいただき、さらにレビューまで、ありがとうございます。 あまり読まない分野とのことで、読んでいただけて嬉しく思います。 実は、公開前の初期段階では「コペルニクス的転回」を入れたものが有りました。 しかし、私の薄っぺらい知識では、どうしても生かし切れず、会話が重たくもなり変更しました。 藤乃川先生の人物設定の弱さは、私の知識の低さに直結しております。 まだまだ勉強が必要です。 拙い作品に星4つ、私には十分過ぎる好評価。 本当にありがとうございました。
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こんにちは。返信コメント、ありがとうございます。 哲学には学生の頃から興味があって、「カント学者」の指導を受けたこともあるので、よけい気になったのだと思います。あの方々は、日常会話のはしばしにも、ちょろちょろと哲学用語が出てきたりする種族なので(笑)。まぁ、マニアックな読み手の意見として、小耳にはさんでおく程度にしてください。
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