『作業着を着て町を歩くと、通りすがる人に「土下座しろ」と言われ 言われるがままに土下座をすると 下げた頭を踏み潰された あの時は町を歩くのが恐怖だった』 あたしが働く店によく来る常連さんがぼやいた言葉。 そのお客様は東電で働く人で、 妻と子供が二人居る。 週に一度必ず来ては、新たに入った景品にお金を費やす。 あたしはその人の職業は知らなかったけど 他のバイト仲間がその人のことを『東電の人』と呼んでいたから その人が『東電で働いているのだろう』となんとなく思っていただけだった。 ある日、一人で店に来たその人と 仕事の話になった。 きっかけは、あたしともう一人のバイト仲間の女の子による『こちらの景品はどうですか』『あちらの景品はオススメですよ』作戦。 いつも『商売上手な二人組だな』と笑いながらその人は財布の紐を解くのだが その日、その人は『仕事が仕事だから最近あんまりお金使えない』と言ったのだ。 なんとなくその人の職業を知っていたあたしは、そのまま相槌を打っておしまいにしようとした。 職業について触れるのは失礼だと思ったから。 しかし、 『おっちゃんの職業、知らないでしょ?』 その人は言葉を続けたのだ。 その場でその人の職業を言って 周りに聞かれてもなんとなくマズいとは思ったけど、 かといって問い掛けられたものに嘘をつくわけにもいかないし、あたしは素直に知っていると答えた。 その後の、そのお客様の言葉が最初の言葉だった。 『妻も子供も居なかったらとっくに辞めてたよ でも妻も子供も居て辞めたら 年齢的にも次の職場はまず見つからなかっただろうしね』 東電で働いていた人には、その人なりの苦悩があったと思う。 少なくとも、そのお客様にはあった。 最初から、あまり世の中の出来事に興味を示してないあたしには 東電で働く人にどうしてそこまでするのか解らない。 己を正義だと思い込んでしたことなのか、 はたまた失った者の為の復讐か。 どちらにしろ、どちらでもないにしろ、 人間は時に大義名分を手に恐ろしいことをするのも厭わないのだと感じた。 ちょっと、人のエッセイに感化されて書いてしまった…… 東電を恨む人もいると思うけど、その行動は間違ってるとあたしは思うの。 それを書きたかった。
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そもそも人間なんてのは誰しもおぞましい狂気を腹ん中に溜め込んで笑ってる生き物だ。 アウシュビッツ大虐殺、宗教上の聖戦、魔女狩り……挙げればキリが無い。 一方で人間は無関心な偶像にも菩薩にもなれる可能性を秘めている。 マザー・テレサ、ガンディー、ゴーダマ・シッダールタ、ピョートル大帝、イエス……これも挙げればキリが無い。 人は一つの毒だ。それを理解していなければ濃度を増して他人に牙を剥くし、理解していれば他人を治す薬にもなる。 てかお前がそんなマトモな考え方をしてくれる事にビックリ。おいちゃん1mlくらいは感動したわ( ̄▽ ̄)
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もっと感動してくれてもよかったんじゃないか(  ̄ω ̄)? 君は山かい?山だったら逆に1㎜動いたとしたらすごいことだけど。 というか、つい先々週かな?の出来事だったからわりとその時の感情が鮮明でね まぁ、正直『人間ってちょーコエー』ってガッタガタしてたけど 踏み潰した人にはそうなってしまうほどの、その人なりの大きな理由があったのかも知れないし 逆に、報道を見た誰かが面白半分にそんなことをしても誰も咎めないだろうとやったのかも知れない。 どっちにしろ人の道理に背くことだけどね。 人間って、法律とかマナーで『ある程度は』凶悪性を封印出来てるもんなんだねぇ。 でも、震災とか何かどう
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