天川 青大

第8話まで拝読しました。 レビューを書かずにはいられない。 そんな想いで筆を執りました。 作者様は、小さなガラス玉のような作品と謙遜されていますが、そうではありません。 この掌編の数々は宝玉の煌めきを放っています。 人の世の悲喜劇は、いつの世も、これからも。 時に歴史に想いを馳せ、そこに生きた人間模様に光を当ててみる。人間社会の賢愚とは? きっと本質は変わらない。 まるで、それを確かめるような足取りのようにも感じます。 一読すれば、分かります。 過去の様々なシーンを芸術的な筆致で眼前に構築してくれています。 このような作品に巡り会えた読者は幸せです。 作者様は新たな手法を試すが如く、色々な題材、様々な作品を次々と並べて魅せてくれます。 だから飽きません。もっともっとと期待をせずにはいられません。 さながら、作曲家・ピアニストの華麗な演奏のようです。 芸術に到達点はないのかも知れません。 しかし、ここに掲載された作品の数々は、小説の神髄とも言うべき高みにある事は間違いありません。 この掌編集を貫くテーマは………… 人は、いつまでも生きられない。限られた時間を如何に有意義なものとするか。自分に正直に生きる。そこに命の輝きがある。 私は、そのように受け取りました。 小さなガラス玉のような作品とは、言い得て妙ですが、正に珠玉の掌編集です。 読書家には特にお薦めです。
3件・5件
天川さん 拙作へのレビューどうもありがとうございます。 こんなに高い評価で本当に恐縮です。 ガラス玉という形容は決して謙遜というわけでもなくて、 透き通ったビー玉やおはじきといった玩具が小さい頃から好きで、 今でも売っていると何となく手にとって眺めてしまうことから そうした作品を書きたいという思いを込めてのタイトルです。 飽くまで一話完結のショートショート集なので、一本調子にならないようにと思い、 舞台となる時代や国、そして題材は極力ばらけさせるように配列しています。 >この掌編集を貫くテーマは………… >人は、いつまでも生きられない。限られた時間を如何に有意義なものとするか。自分に
1件4件
お早うございます。 再読させて頂くと新たな発見がありましたので。 一話に登場する女性達は一名を覗き名前は出ていませんが、提示する魅力やメリットなどからどんな女性かを判らせるのみならず、就活や婚活のPR合戦にも似た風刺めいたものを醸し出しています。 そこでメリットは伏せてデメリットを提示した目立たなかった語り手がまさかの採用を受けると言うドンデン返しが用意されています。 ギリシャ神話では戦争の引き金となったエピソードである事を考えると、どちらを選んでも女達の闘いに発展してしまう皮肉やサスペンスを演出しているように思います。
3件

/1ページ

1件