たすう存在

大作でした。 テーマ、世界観、人物、構成、それから物語の面白さ、どの要素をとっても非の打ちどころのない作品です。 小気味の良い会話と温かい食事を楽しみつつも、まるで極寒の地の冬を体感するかのように読み進めれば、重いテーマと悲壮な過去が顔を現し、そして更には少しずつ違和感が積もっていきます。 テキーラ・サンライズの使い方も印象的で、僕もアークの地の夜明けを見てみたいと強く思いました。 そして明かされるノアの秘密とリラとの間の悲恋。 意外な展開と涙を誘うロミオとジュリエットを彷彿する愛の物語は、だけど、そこで終わりません。 神秘的な海獣・イッカクやアークの地に伝わる神話も絡めながら物語が扱うのは、外の世界の文明に侵され変節していく民族の問題です。 ですがこの自然と文明と人というテーマは、我々人類が根源的に抱える問題でもあるように感じました。 完成された名作だと思いますが、ぜひとも加筆修正して、公募に出すなどして、世に出して欲しい作品だとも思いました。 壮大かつ感動的なハロウィンをありがとうございました。
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褒め褒めレビューありがとうございました。嬉しくてぴょんぴょんです。 ハロウィン全く関係なかったと、隣の猫さんと反省していたコロニーIですが、イラストだけ唯一ジャックオーランタンがあるんですけど、取り入れられていないという(笑) 大きく捉えて、死と再生の儀式的なものとしてハロウィンを取り入れたつもり(あくまでつもり)なんですが、多分誰にも伝わってないでしょう。 大分悩んで迷走しましたが、なんとか形になって良かったです。 つい世界を大きくしがちになる癖があるので、いつも書き切れるかひやひやなのです。 初めはイッカクがわたしで、リラは生き物の声が聞こえるとかそういう話にしようかと思っていたのですが

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