にゃんデッド

まず、驚いたのは世界観。 名付け親としてはヤンデレっ娘が病んで病んで病み尽くすようなダークラブストーリーを想定していただけに、フィヨルドそそり立つ透き通るような大氷雪の秘境を目の当たりにして、さしもの脳内ヤンデレっ娘も圧倒されるあまり自らの存在のチープさを思い知ってしまったようです(なんだそりゃw) ちょっと小悪魔な教授ノアと、彼を前に素直ではいられないリラが織りなす束の間のラブストーリー。フィヨルドに覆われた神秘の地で暮らす部族と、外からやってきた文明の間で軋む二人の一途な想いに胸が締め付けられるような感覚がありました。 氷に閉ざされた箱舟の中、緩やかに流れて行く時間を噛み締めるように読み進めて行くとしかし、所々に思わず首をかしげてしまう描写が。 こんなタイトルにしたのが仇になりました。表紙絵にもあるテキーラサンライズ。頭を殴られるように重たい響きの鐘の音。え、朔さん、ヤメテ、あの、ちょっと! おいいいいいぃぃぃ!!!! とまぁ、だいたいこんな感じで絶望しました。このモヤモヤする読後感は朔さんの掌の上なのですね。ちっくせう!! あの後、リラはいったいどんな人生を過ごすのでしょうか。ノアへの想いに区切りをつけて新たな恋を見つけるのか、はたまた、神話の一部となった彼を悼んで部族の司祭となるのか。 それを想像するまでが、この物語を味わうという事なのではないかと思いました。 最後に、大変遅れ馳せながら、お忙しい中、執筆お疲れ様でした!
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