清瀬 美月

10年後、―――。 必ず集まろうという強い言葉に、何が起きたのか、どんな強い思いが隠されているのか、冒頭から想像力を掻き立てられます。 子ども故に受け入れるしかないそれぞれの環境も、四人で集まると少しは緩和されるかのようで。 行き場のない子ども達の懸命に生きている姿が、とても愛しくてやるせなかったです。 心の拠り所ってその時々でいろいろとありますよね。 それは人だったり、物だったり、夢だったり……。 彼らが見つけた『かけがえのない存在』。 それは自分たちよりも弱い存在だったことで、もしかしたら救われていたのかもしれない。 何かに頼って生きていくよりも、頼られて生きる方がきっと、強くなれるんだろうな。 タイムマシン、10年じゃ難しかったですね。 でも、10年後の四人がしっかりと前を向いて生きていて。 これからの未来へと繋がるラストに、読了後は幸せな気持ちになりました。
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