それぞれのヒロイン(例外あり)が、織り成す「味わい深い」心と愛の物語が、私たちが普段過ごしているのとは異なる世界に存在する(のかどうかすら不確かな)『ラ・クレーム』という不思議なお店を介して描かれて行きます。  連作集でありながら、そこに登場する《Guest(お客様)》達のエピソードは、全く趣やテイストを変えた内容であり、それはこの三次元で息をする人々の生き様とも重なるのです。  会社内の人間関係、パワーバランスや「他者との距離の取り方・親しくする絶妙のバランス」に悩むOLもいれば、環境の大きな変化・離別に翻弄される少女もいます。  他のエピソードでは、前代未聞・唯一無二の「三角関係」に陥ったヒロイン?主人公の人生を、光と輝きの中でコミカルかつハートフルに読ませてくれます。  笑った顔のまま涙を流せる。そんな物語こそが、真の意味で「素敵な」作品だと私は思うのです。  そして、その条件を見事に兼ね備えているのが、今作『ラ・クレーム』であると高く評価出来ます。  惜しむらくは、五次元の概念~歴史的な推移の中で「存在する(もしくは存在してない?)」マスターの立ち位置を、割と早い内に作中で明かしてしまったことでしょうか。  個人的な感想なので、読者にもよると思いますが、ここはもうちょっと伏せてミステリアスさ加減をアップさせるのも良いかな?と。  とは言え、物語個々の完成度、登場人物のキャラクター設定(いわゆるキャラ立ち)に加え、単なるお説教・メッセージ文学に陥ることなく、哲学的命題をも包括したエンターテイメントに仕上げる作者様の技量は、桁外れだと思います。  ずっとずっと続いて欲しい作品というものがあるなら、それは『ラ・クレーム』だ!  そう断言出来る程の名作です。
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おはようございます。 熊川さん。レビューを 有り難うございますm(__)m マスターの立ち位置。 はい。勉強になりました。 いつも有り難うございますm(__)m 改めて これからも宜しくお願い致しますm(__)m Merry Christmas(*^^*)
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 のあさん、おはようございます! わざわざご丁寧なお返事コメントをありがとうございます。  これから、『ラ・クレーム』シリーズは日々読ませてもらい、分析(?)させて頂きますね!  v(゚∇^*)>o⌒☆merry X'mas☆ミ!!
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