鮎川 未夢

人は、良きにも悪しきにも現実より思い出の温もりを、反芻してしまうのでしょうか。 暴力を受け、ダメだと分かっていても、二年間の思い出が尊くてそんな簡単に捨てられない。 淳子は、傷ついた彼を護っていたような気がします。 でも、ラストシーンの淳子は、今までの淳子の殻から一歩前に進んだような気がしました。ただ進むべき対応策が違えてしまったのは悲しいけれど……。 航平の優しさ温もりが淳子の心を変えたのだと感じました。 クリスマスには、人の笑顔が光の中で輝いて見えます。 けれども、その笑顔の裏では泣いている人が多いような気がするのです。 むしろ、淳子のような環境よりも航平のような環境は少ないのかも知れない。 いや、航平もまた家族や友人に護られて見えていなかっただけかも……。 色々と考えさせられた作品です。 本音が出やすい横顔を捉え心情を表現するシーンが、好きです。 航平が淳子を助けてあげたいと思う一方で、越えられない自分の力に絶望する気持ちを、 最後の桜の葉に重ねた表現が素晴らしいと感じました。
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鮎川さん 何度も読んで頂いたこと、スターを頂いたことを嬉しく思っていました。そして、もったいないくらいの素敵レビューまで…本当に本当にありがとうございます。 (建前→)文字数制限意識しつつ、言葉を選んで悩みながら書き上げた作品で私の未熟な文章力では伝えられるか心配でしたが、鮎川さんの素晴らしい読解力のおかげで作品の質が上がった気がします。 書いて良かった、公開して良かったと思えます。来年もガンバロー^_^
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誰にでも捨てられない思いがある。 だから自分を変えたくても簡単に変えられない。この人には自分しかいないのだと護っている強さがある反面、もっと自分を大切にしたいと思う心の揺れが表現されていて切なくて素敵でした。

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