Im.20:19

今回の詩は、作者が今まで手がけてきた詩とは様相が異なる。異彩を放っていると言ってもいい。単に物語を散文詩で表現したのであれば、このような作品に豹変する筈はない。何が違うのだろう? と、思考を重ねた結果、次の答えに辿り着いた。 物語が詩になっているのではなく、詩が物語になっているのだ。 両者は似て非なるものだ。物語を出発点とする詩はあくまで物語りに過ぎないが、詩を出発点とする物語は紛れもない詩であり、詩たり得る要素を喪失しない。 そう、これは詩なのだ。物語りではない。しかも、散文詩であるため、叙事詩や抒情詩といった古典的な形式とも異なり、現代性を獲得している。こういった詩を書くことは容易ではない。言葉をこよなく愛でる詩人の思考にのみ、それは生まれいずる。 無論、形式だけでなく、内容も頗る文学性を表出している。恋の甘酸っぱさをあわ玉(ソーダ風味のキャンディ/このあわ玉は作品のモチーフの一つである〝星〟と重ねられている)になぞらえる作者の手腕は実に見事だ。 これは凄い。読んだ瞬間に傑作だと確信した。是非とも国語の教科書に掲載して欲しい逸品である。 ヽ(=゜∀。)ノAmazing!
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