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はるこい、ホワイト
岡田朔
2015/4/21 11:15
土屋颯太という人は言葉遣いは丁寧だし、女の子にも優しい。話しかけられたら、それなりに愛想はよく返すけど、多分本心はあんまり出さなくて、梓から見たら、とても大人に見える。幾分出来過ぎにも思える程の人です。 でも多分少し変わり者。頑固だし、自分基準みたいなものがありそうな気がします。 だからこそ、東山魁夷の馬の絵のような美しさや格好よさを持つ梓に心惹かれたのではないかなと思ったんです。一般的大学生男子とは少し異なる価値観で選んでいるというか。 だとすると、蝶になりたい梓の姿を見てどう思ったんだろうと疑問が生まれました。果たして馬を好きだという男は、蝶を好きになるのか。 でも、これは梓一人が馬から蝶へと変わったわけじゃないんですよね。 颯太自身、先生に指摘されたように絵を描くひと月を通して変わって行くわけです。多分梓の蝶の兆しを見る前に描いていたら馬になっていただろう絵は、がらりと変わっていて、颯太というフィルターを通した梓はとても柔らかで優しい色彩でまさに春。 この絵を見た(読んだ)瞬間に、ああもしかしたら、馬が好きだった颯太の気持ちは憧れにも近いもので、蝶にすっかり頭の中を春にされてしまった今が恋なのかもしれないなあと思いました。 周りによって作られた姿よりも、ずっとずっと本来の梓の方が魅力的で美しかった。そういう風にしたのは自分だと思うと、なんだかとっても堪らない。さらに今見せてない新しい面をひきだしてみたい、なんて思っているのかもしれないですね。 冬可さんのキャラならこのくらいの変態度は持っていてもおかしくない← きゅんきゅんのストーリーにすいません。 えと何が言いたかったかというと、このある意味無謀にも近い変化を上手く描いてしまった冬可さんは凄いなと。 まさに颯太は白の世界から春へと変わっていきました。はるこいホワイトってもしかしたら颯太のことなのかな。 最後にいう事でもないんですが、とても言葉の選び方が美しくてうっとりしました。素敵なホワイトデーストーリーをありがとうございました。
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