maria.XX

『死にたがり剣士のオズワルド』では、とにかく感情を振り回されて号泣や歓喜の笑みをこぼしたものでしたが、この『プリンセス・シールド』はスケールが段違いで、感情的に入り込むよりは物語を楽しむ方に一生懸命になりました。 これだけのボリュームにも関わらずテンポ良く読み進められるし、情景が勝手に目に映るぐらいに伝わってきました!(これは前作でも同様でした)。「このシーンではきっとこんな表情してるだろうな」と想像して、何もない所に指で空絵を描かずにいられない。これ程の興奮は多感だった学生時代以来、本当に久しぶりでした。 沢山の葛藤、怒り、悲しみに出くわし、思わず目が熱くなるものの、何故か心の何処かに余裕を残して先を読み進められる。この安心感は一体何処から湧いてくるんだろうと思いを巡らせてみると、程なくしてアイの顔が浮かぶのです。 天真爛漫で破天荒で、ゼルタの突っ込みと同じような感情で彼女の様子を見ている自分。そしてゼルタと同じように、いつの間にかアイを愛しく思ってしまっている自分がいるのです。 だから栞を挟んだ後でも、物語を全て読み終えた後でも、読後感が晴れ晴れするのです。敵対者ですら心を和らげてしまう程のアイの笑顔が、全ての悲しみを吹き飛ばしてくれている気がします。 ゼルタの最後の選択、彼と同じ立場なら、僕も間違いなくああしたいと思います。だって、それって最高の幸せじゃないですか!。これで僕も、アストラル体になる事への不安が無くなりました(←オイ)。 そして。こうしてレビューを書いていると、ユグドラシルは僕の心にもすっかり根付いてしまったんだなぁと思わずにはいられないのです。 余談ですが、『刀語』の否定姫みたいな喋り方で個人的に思わず心くすぐられてしまうマーリンが結構気に入ってたので、今回も“大暗躍”してくれるんだろな~!とワクワクしてたのですが、意外な形で見納めになってしまいちょっとだけ残念でした。でも僅かな希望が残されてる状態なので、密かに期待しております(^w^)。「書かないよ!」なんて、断言されたら泣いちゃいますよ(笑)。
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遅くなりましたが、「プリシー」へのレビュー、誠にありがとうございました! またまた嬉しいレビューでした! 楽しんでいただけたようで何よりです! 「ゼルタと同じような気持ちでアイを好きになった」というお言葉には「おっしゃ!」と思わずガッツポーズw それが狙いの「一人称視点」だったのでw 実際、「ファンタジー」でこの「一人称視点」を使うのは不利な面が多すぎて、本当に大変でしたw でも、読者にゼルタの「気持ち」を見せたいが為に選んだ手法だったので、これは本当に嬉しいです! そうなんですよ。マーリンをあの状態で残したのは、「伏線」なんですよね、実は……。今度は未来を舞台にした続編も、僕の頭の中では
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ゼルタ、前作では終盤に入るまでは完全に敵だったので、プリシー読み始めていきなりゼルタ視点なのが意外でした。でもだからこそゼルタの知らない領域は単純に読者にもわからないし、この物語のボリュームにも圧倒されずに読み進められたのかもしれません。 僕みたいに多く小説読まない奴でも苦もなく完読出来る所を見ると、一人称視点というのは凄く親しみやすいんだと思います。 またゼルタというキャラが、この物語の語部に相応しかったともいえますよね。舞台の建国に携わってるから国のシステムも把握してるし、世界そのものの情勢や魔導の原理もわかってるから、読み手への説明にも無理が無いし、逆にゼルタの把握してな

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