ノリアキラ

 物語のかたちくちが、他のお話にはない味を出しておいでで、それがこのお話には本当にとてもあっていて。  自分が透明になって、どなたかのご案内で、「ご覧」って、お話の中の世界を覗かせて戴いてる気分でございました!  一つ一つのシーンに、とても哀しい現実と、それを『人間』だからこそ「悲しいままで終わらせない」救いに転換させる。  そんな繰り返しのやりとりに胸をひっかかれました……!  いや、もう何度もいろいろなページで目が、ウルッと(涙) もう、最初の「何かお返しがしたいナ」と彼女が思っている時点でいけません。  だって、あなた、供物にされたのに。 みんなのためって、死ねって言われたのに。  祀られたって、御花添えてもらったって……怒ったって、泣いたっていいのに。 ……彼女が泣かないのは、お婆ちゃんが変わりに泣いてくれたからなのかなァ。もう「アヤカシ」だから、かなァ。それもどこか哀しい。  お婆ちゃんが蘇るのは、彼女が心配だからかなァ。 そして、互いに互いの事をわからないのに、心のやりとりは見えない世界で続いて、それももう、ただ、綺麗で哀しくて。  レビュー書いてる今も、ちょっとウルウル……いろいろ妄想してしまいます。  もう「ヒト」でない彼女に、お婆ちゃんはいつまでも「人」としての愛をあげるところも大好き。  何度生まれ変わろうと、対応にブレなし! 愛しい孫なんだと感じます。きっと彼女が生きていた頃、その小さな手が少しづつ大きくなるのを日々、愛おしんでこられたんだろうな……嘆くお婆ちゃんを見て、周りが罪悪感にいたたまれなくなるほどだったのだもの。  最後の小袖。とても、キュンとしました。  未完成だとは感じませんでしたよぅ。ビンビン泣いてマス……(馬鹿ですね。笑)
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すごく力を籠ったレビューをありがとうございます。 何か、本当にもったいないくらいのお言葉で。 素直に嬉しいです。 少女は、多分、神様に拒絶されたときに、自分が何のために死ぬことになったのか、すごく悩んだと思うし、意味のない死を与えた人たちを恨んだと思います。 ただ、神様はそれを分かっていて、記憶を封じさせたんじゃないかなと。 最後に、おばあちゃんを天に見送るというのは、神様の慈悲であり、少女にも大切な救いだったのさでしょう、恐らく。 今のままだと、悪しきアヤカシになってしまう。それは、神様も嫌だったのかなって。 時が解決してくれる、というヤツですね。私は時で解決できたことはあまりないですが(
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