autumn

完結おめでとうございます。 ホラーといえば、つい想像しがちな怖い類いのものではない選択をくれた書き手に感謝です(ホラーオカルト苦手) 物語自体がとても入りやすくすらすら読み進めました。 そして、植物さんの作品は世代を選ばないなと思いました。 独特な雰囲気を持つオカルトマニア駄犬先輩と霊が怖く臆病な明音、二人のギャップのバランスがとてもよくとれていて面白かったです。 (人物設定と二人の会話) 二人が検証してくのは、何故、死ななくてはいけなかったのか、自分の死に納得がいかない霊魂とか妖怪。 二人が、あの世とこの世の橋渡しのような役割をしていると思い 二人の働きで想いを残した霊魂が浄化していく様に胸を撫で下ろしました。 読み処は真っ赤な空の下、朧月神社の前後の情景描写で、映像のように何処までも広がり、その世界に佇んでしまうほどでした。 その最中の伏線回収は、駄犬先輩の告白(アキくんのあの日の行動)に、 明音を引っ張り回していた事情と 大切な者を喪うことは、自分の一部をもぎ取られる事なのだと哀しくなりました。 そこにとても深い愛とまだ、逝かないでほしかったという足掻きのようなものが入り交じってると思いました。 読者には「忘れないでほしい」と叫んでるように聴こえました。 そして逝った者の願いを叶えることで安息を得たのだと信じたいです。
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