アリス

ありきたりな恋愛小説の裏をついたようなこの小説に感動を覚えました。 何事も、そんなうまくいかないもの。 だからこそ、私達は、理想を夢見て、理想と現実のギャップにため息をつきながらも、生きている。自分でも、気持ちの整理がつかなくて、伝えたいことも、うまく伝えられず嫌気がさすこともあるけれど、そうやって生きるのも、決して回り道なんかじゃないんだと思うことができました。 試行錯誤しながらも、ところどころ折り合いをつけながらも、誤魔化さずに前に進むっていいなって改めて思うことができました。綺麗じゃなくて、少しぐらい汚れていたほうが、自分らしくていい。そのかわり、気持ちは、上辺だけでなく、吉川や結月のように繊細だから。不器用でも、逃げずに向き合えばちょっとずつでも、現実は、変わっていくんじゃないかと、励まされた一冊でした。
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