autumn

『妙子……』 人はつい目先のことに捕らわれ過ぎていく日々に感謝することさえ忘れがちですね。 ここには目も耳も背けたくなるような悲惨な戦争が包み隠さず描かれてます。 平凡な家族を通して戦争とは、喪い無になることではなく、 それ以上にありとあらゆることを奪いさられることだと教えてくれます。 人間が家畜や獣に成り下がり尊厳などという言葉はあったためしもない。 被害者、弱者、加害者に限らず奪われどん底に突き落とされ絶望することです。 先人からの教訓を活かせず歴史のなかで繰り返される。 人間の愚かさを証明するかのように今も何処かで内戦や紛争は絶えない。 そして、戦後70年を迎える一方で日本も安全保障関連法案に踏み切った。 わずかな光もないのかと虚無感さえ覚えてしまいます。 妙子と義母に待ち受ける運命とはどのようなものなのでしょう。 ケータイ小説という最も蔑まされる分野に挑戦状を叩き付けることのできる良作です。そしてエブリスタの財産です。 一人でも多くの人に捲ってほしい。 未来があると信じる読者としては、逸早く戦争について書き始めたつばめ乃季節さんは、後世に伝えることを担う希望です。
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