陶山千鶴

恋愛は、殺人に似ている。ふと、私はそう思った。相手のことを知る行為は、魅力的ではあるけれど、それ以上に危険だ。相手のことが好きな、気持ちが高ぶれば、どんな道を進むかわからないからだ。 恋愛は、殺人に似ている。愛情の反対が、無関心なら、殺意の反対はなんなのだろう? だから、恐ろしい。人を愛して、愛されて、世の中には数多くの人と繋がりがあるけれど、私はどこにも繋がっていない。 ひとりぼっちだ。誰かを愛して、愛されて、でも、それは自分をさらけ出す行為だ。相手を知り、自分を知ってもらう。そうなったとき、私は誰かに愛されていいのか、迷う。 私は頭がおかしい。いつも思う。人を見れば、その容姿よりも、内面が気になる。肉を裂いて、骨を取って、その中で動く、心臓を止めたくなる。 殺したくなる。そうなる前に殺してほしくなる。私のような人間は、誰かを愛してはいけない。だから、今すぐ殺してほしい。 私は裏切りを許さないだろう。きっと自分から関心がなくなったとたん。私は彼女を殺す。 首を締める。頭を地面に叩きつける。毒を盛る。水に沈める。きっと、私はやる。 恋愛は、殺人だ。人を狂わせる。私は恋愛ができない。

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