★シルバー★

 田中さんはシーソーですから、時間がかかるものは危険ですよね。 作家の新規発掘は、全くといっていいほどありません!むしろ好きな作家さんも初期作品が好きですので、今現在新作を心待ちにする作家はいないと言っても過言ではないかも。悲しいことです。 『二重人格』論では意義ありです!ゴリャートキン氏の理想がアレって、あんまりじゃないですか?以前田中さんと自分のシャドウという話をしましたが、シャドウとは自分がそうありたい自分ではなく、自ら殺してきた、自分の嫌いな部分です。そういった自分を、私たちは意識的に、もしくは無意識に抑圧します。例えば元々が怒りっぽい人が「これではダメだ」と怒りを我慢したり、身近な反面教師を見て怒りを抑圧し、物静かで穏やかな人間として生活していた場合、その人のシャドウは「怒りっぽい人」となります。ゴリャートキン氏でいえば、策略を弄したり周囲の人や上司にこびへつらったりする自分は抑圧している自分で、今現在の自分こそが理想(そうありたい自分)を彼なりに一生懸命(自ら言い聞かせたり宥めすかしたりして)体現しているように思うのですよね。 で、何故そのようなシャドウがもう一人の自分として生まれてくるかというと、抑圧するというのはある程度我慢したり、場合によっては痛みを伴ったりもするものだからです。何も我慢せず、客観的に自分を見ることもなく、感情や欲望のままに振る舞っていればそりゃ楽なわけです。我慢した結果もう一人の自分が我慢しきれなくなってしますと、その抑圧されていた自分が溢れ出て現実を侵食し始めてしまうのですよね。自分がシャドウを嫌いなように、シャドウも自分をとじこめている本体が嫌いなのかもしれません。  あと、個人的には理想の自分が現れた時にひとが感じるのは劣等感や自己家で、わざわざ理想の自分が本当の自分に手を下さなくても、勝手に穴に埋まってしまう気もするのですよね。田中さんの自己肯定感の低さは、ここに要因があるのかなぁと、お返事を読みながら思いました。誰が責めるわけでもないのに、理想の自分が現れて田中さんを責めちゃうんじゃないでしょうか?  肩の力が抜けている作家…。とっさには思い浮かびませんね。作者が余裕をもって楽しんで書いている作品は確かに好ましく思いますが、村上春樹や小川洋子は肩の抜けている作家ではないような気もするので、よくわからないかもです。
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 田中は心理学を学んだ訳ではないので、とうぜん間違っているかもしれませんが、ゴリャートキン氏の性質でまず目につくのは水溜まりほどの思索の浅さです。くどくどと回りくどい言い訳みたいな自己正当化をその深度をたもったまま果てしなく続けるのですが、これが思索とほとんど同時にはじまります。これはつまり理想と現状の間の底知れぬ深淵さをほんとに認めたくない、見つめたくないための必死の自己防衛であり、田中はそんなゴリャートキン氏をなんだかいとおしく思いました。シルバーさんはあんまりといったけれども、それでもゴリャートキン氏の欲望というのは、やはり社会的な成功に集約されていると思うのです。抑圧され倒錯した異常
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① 私と田中さんのゴリャートキン論の溝、違いはふたつっくらいでしょうか。割と近い部分もあるんですけどね。 ひとつめは、思索が浅い理由です。自己防衛という点では同じなのですが、その理由を田中さんは「理想と現状の間の底知れぬ深淵さを認めたくない 」ためと読んでいて、私はその浅さこそが「抑圧の強さの証明」だと思っているのです。思考を進めるには、自分の抑圧してきたシャドウ部分と向き合わなければなりません。それが出来ないからこそゴリャートキン氏の二重身は現れ、そいつに(精神が)殺されるまで至った、というのがシルバー論です。 ふたつめは「理想」の使い方ですね。この前、波風を立たせたくない芸人が出てくる番

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