藤白 圭

この物語のテーマの芯となる部分は『愛』なのだと感じました。 『愛情』『狂愛』『純愛』『隣人愛(友情的な意味での)』 真っ直ぐな愛。平行線な愛。歪んだ愛。 色々な色が複雑に絡み合う事で、謎がもつれ合い読者も主人公をも翻弄させて、真実を闇の中に隠してしまう。 全ては、『最凶愛』の持ち主である黒幕に、皆、掌で踊らされ終幕を終える。 バッドエンドでありながらも、決して後味が悪くはならないのは、犯人が背負う闇の深さゆえ。 これは、登場人物の心情を細やかに描いていた作者の力量によるものだと感服しました。 伏線も全て回収されており、ある『目撃者』がきちんと『犯人』を見て、主人公にも『彼』が逃げたのだと語っているにも関わらず、主人公が最終的にボイスレコーダーや彼の誘導によって、その点を追求しなかったところも、『人を信じ過ぎる』という主人公の性格をしっかりと含ませており、読者に対しては、きちんと、謎解きのヒントや、彼の歪んだ愛、主人公との本当の意味での繋がりも暗に含めた文章は、全てに辻褄が合い、物語内だけでなく、作者と読者との心理合戦的なミステリーとして、とても面白く読まさせて頂きました。 ただ、勿体ない点が一つだけ。 主人公と巧、双治の他にも、重要であるべくして登場している筈の二人の親友。 二人共に、かなりの個性派キャラ。 彼女達をもっと動かすことによって、巧を焦らせ、窮地に追い込むといった場面があってもおかしくないですし。 そうする事で、この物語は謎と深みが更に増したような気がしました。(今よりも更に読者を翻弄させる道具にもなったと思います) とくに、脇役とはいえ、この親友二人のキャラはファンがつきやすいタイプですので、勿体なかったかと。
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快紗瑠さん、素敵なレビューとスターをありがとうございます! まずは、お忙しい中の読破お疲れ様でした(>_<) しかも新幹線で移動中……(´Д`;) もう、お返事とか大丈夫ですよ、テキトーにあしらって下さい!(なんなら無視でも) リアル第一です。 おっしゃる通り、確かにいろんな『愛の形』が出てきておりました。 (言われて気づく張本人・汗) そう言う意味でも、快紗瑠さんの仰る通り脇役二人を生かしきれなかったのは問題ですね。 後半になるとほぼ主要二人のみのやり取りになってしまったので…… 急いで書き上げた弊害かと反省しております。 もう少し丁寧に、出てきたキャラは立ち回らせるべきでし

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