【コメント】

ゼノグロッシー－幕末天使異聞－

壮絶、豪快、そして繊細。これは単なる剣豪の物語に非ず。冒頭の、美麗で不思議な雨の描写からいきなり物語の世界へ取り込まれます。そして徐々に明かされるあまりにも壮大な背景。剣を交わす二人の間に、どれほどの深く真摯な想いが交錯したのか。どれほどの美しい赤い雪の中で、どんな形で二人が魂を預け合ったのか。それを垣間見るのは、読んだ者だけの特権でしょう。魂の執着と業の深さに、そして普遍の愛に打たれます。まさに鬼作、逸作。最高の賛辞として、作者様にこの言葉を贈ります。黒猫丹一、美事なり。凛音

・31件・5件