吉田 群青

(応援)この作品を読んで、王余魚沢を自分の足で歩いてみた。作者の浅果さんは山育ちであり、僕は浜育ちである違いこそあれ、田舎で育った者にとって自然は「充実した老後」とか「護るべき遺産」といった綺麗事ではない。踏み入れるだけで死の危険さえある土地が、棲み家のすぐそばまで迫っている。この作品の登場人物達も、熊や狼、凍てつく冬に脅かされながら、山間にへばりつくように存在する集落で、自然からもたらされる僅かな恵みを掠め取りながら、ひっそりと暮らしている。 反面、子供達はそんな中でも明るく元気に生きている。少ない娯楽ではあっても、それを十二分に楽しみ、恐ろしい自然に寄り添って生きる術を、その遊びを通して学ぶ。 ふるさとを離れ、今は街で暮らす僕の中にも、ひでが居て、大介が居る。 美しい自然に囲まれた王余魚沢を歩きながら、今は帰る家も無くなってしまったが、紛れもなく僕を育み、恐れさせ、そして見守ってくれた、僕のふるさとと同じにおいを感じた。
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群青さん、こんにちは♪ 応援レビューありがとうございます♪ しかも王余魚沢、歩いて下さったのですね♪ 見事に何もなかったでしょう(笑) それでも、自分はあそこが好きですよ♪ 何もないけど、自然があると。 今はいくぶんマシになりましたが、空港道路が整備される前は本当に山奥でした。 そこで子供時代を生きた活力が今に生きているかも? 文章からにおいまで感じとって下さって本当に感謝です♪ ありがとうございました♪

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