うおおぉぉう……。なかなか精神的にえぐかったです。 昔はテレビで共通の話題を探して盛り上がったりしたものですが、最近はその役割がテレビから動画サイトに変わってきていますね。ただこちらの方は、規制が緩いサイトほど危なっかしいテロップやらリンク先やらが増えていきます。クリックした瞬間に同意もなく動画サイトに登録され、高額な月額料金を請求される「ワンクリック詐欺」なる新手の詐欺も横行しているとか。怖い怖い。 話が逸れました。本作を読んで、少し前に報道された、イスラム国による日本人殺害の記事が頭をよぎりました。あの二人は殺されるとき、いったいどんな気持ちだったんだろう。そんな想像を巡らせた事があったからか、これから殺される人間と会話する恐怖というか、気持ち悪さみたいなものがずっしりとのしかかってきました。同じ画面ごしでも、ニュースで死亡記事を見る分には他人ごとなのに、こうして殺される瞬間と繋がってしまったと想像すると、その違和感と恐ろしさは筆舌に尽くしがたいですね。 なぜでしょう。防衛本能でしょうか。インターネットが普及する前の時代の人々にとって、人の生き死には画面越しでは語りえなかった事でしょう。最後、何の前触れもなく主人公が画面の中に巻き込まれてしまったのは、なんでも『画面越し』で体験したつもりになっている現代社会への痛烈な皮肉にも思えました。

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