あっさりした描写でそのまま淡々と会話モノとして過ぎると思いきや、ラストでガツンとやられました。 三味線屋の勇次バージョンも気になります(笑)がそれだと最後の金髪青年の描写について読者に問う形ができないので、本作はこちらのラストが秀逸と思いました。 カマキリと蜘蛛という身近でありつつも強さを感じる生き物をキャラクタに据えることで、暗喩的に短編でうまくキャラの色を出せていると思います。 特に蜘蛛が激しい情念などを表すわけでなく、生活の一部として糸を張り続ける描写に、女の怖さを感じました。 設定のうまさに感嘆する作品でした。
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