草薙啓一。

花はただ、咲くのみにあらず。あの歌を耳にするたび、私はそう心の中で言い続けるだろう。 確かに、色々とりどりの花達は可憐で愛らしく、美しい。 が、それは『生』の望みを絶たれた『死に化粧』の讃美歌。 たおられた花は、ただ『美』を貪り愛でる人の『欲望』に、奉仕するだけの存在でしかない。 それで幾ら『人』の心が慰められようと、『慰みもの』にされ、『消費』された『花』には、何の慰めにもなるまい。 まあ、そんなことを言えば、こう言われるだろう。 『貴様は豚を喰うだろう?その豚は人に食われるために飼われ、生かされている。花も同じ。人を慰め、楽しませるために育てられ、市場に流通しているんだ。それを否定すると言うなら、貴様に豚を食う資格はない』と。 3.11 に寄せて。 私はまだ、人間になれそうもないよ。ねえ、Key…… 君は、人間に、なれたんだろうか?

この投稿に対するコメントはありません