藤白 圭

幾重にも張り巡らされた罠に絡められたのは、他でもなく読み手の方でしょう。 虐め、妬み、嫉み、我慢、疑い、恐怖に略奪。 人間の負という感情が入り混じり、真っ黒な闇となって、先の展開を読もうとしても、読めない状態で、一体どうなるのか、最後の最後まで分かりませんでした。 最後の最後まで救いのないミステリー。 その中で、小さな頃から「負」を背負い続け、心を壊してしまった彼を「獣」として、解放された後の物語を、怖いもの見たさで読んでみたいと思いました。 最高にスリルのある作品をありがとうございます。

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