樫横まいみ

異なるふたつの要素を組み合わせるのが、この作者さんの得意技。 「ハイブリッド小説」です。 今回は、ミステリー×BL。 静電気体質で、安易に人に触れることができない主人公と、 唯一の動力源である彼の電気を摂取するため(…だけではないけれど)、いつも彼に触れていたいロボット、のお話。 お互いに、無二の存在同士。 それぞれ抱えているものが、相手の抱えているものと呼応していきます。 たとえば、 「体質が原因で、うまくいかなかった対人関係」と、「ロボットであることの哀しみ」。 「人間であるがゆえに、持て余す感情」と、「人間になりたいという願い」。 そのロボットを相棒と認め、人間と対等に扱いたい主人公と、 嘘をついて自分を壊させてまで、主人公を守りたいロボット。 呼応しあうひとつひとつが、 どれも、せつないのです……。 他作品ではいつも、まさかの展開をこれでもかとたたみかけて楽しませてくれるのですが、 この作品は、ゆったりと、心理描写でも読ませる話になっていて、 作者さんの新たな一面を見ました。 萌えシーンも多数。 でもそれ以上に、しみじみとした情緒的なシーンが多くて、とても好きです。 最後まで読み終わった瞬間に、また最初から読み返したくなる。 私にとってはエンドレスリピート作品です。
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お…おお……、おーっ! かしょこさん、また素晴らしくなりました! ありがとうございます
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