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RIKU 最終章 この胸で眠れ
藤白 圭
2016/7/18 20:43
3回も読んでしまいました。 いやはや。 そのぐらい夢中になれる作品。 一話ごと、「その場」の問題は完結するものの、それらが全て、点と点。 そして「人間の縁」と「運命」という糸でつながっている。 最終章。 それらが見事繋がった時、ゾクゾクっと鳥肌が立ちました。 世の中にある真実というものは、それぞれの視点や価値観で、見え方も感じ方も違う。 よって、真実というものも、実はとてつもなく曖昧であり、その曖昧さをハッキリさせないことで人間は幸せに生きていけるのでは?という点。 全ての物事は明と暗、善と悪、黒と白といった両極の概念の狭間にあって、自分はどこに位置するだろうと悩み迷い自分の居場所を探すもの。 では主人公の存在する場所はどこ? そんなことを思いながら読み続けていました。 純粋無垢な心に垂らされた一滴の墨によって、じわじわと黒に侵食され、二度と白には戻れない者。 人の心を信じ、誰かの為に何かをしたいと熱く燃える者。 様々なタイプの人間が登場し、主人公の心を揺さぶっていく様は、とても強烈で、何かを閉ざした主人公が彼らから何を得て、どう成長していくのか。 そこにずっと着目していましたが……。 人は、悲しいこと、苦しいこと、信じたくないもの。 全てを受け入れ、乗り越えていくからこそ、成長する。 けれど、彼は、信じたくも無い残酷な出来事によって湧き上がった自分自身の感情を心の奥深くに閉ざしてしまうことで、成長ではなく、「みなかったこと、聞かなかったこと」にすることによって誤魔化して生きてきた。 でも、その感情も自分自身。 その感情に蓋をすることで、成長することも浄化することもなく、ずっと燻り続けるだけ。 その感情と向き合い、自分だと認めることで、リクはようやく本当の「自分」になれたんだろうなぁと思いました。 あぁ。 私の稚拙な文章では、この感動を伝えきる言葉が見つかりません。 ですが。 人というものは、自分に関係する人間や環境によって、どのようにでも運命を変えられるもの。 それが一番、心に刻まれました。 そして、曖昧で生きていくのは、ある意味「妥協」なのかも……と価値観を変えさせられるほどのインパクトある作品。 心と超自然、そして、人と人との繋がりの大切さを教えてくれる素晴らしい作品に感謝致します。
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佐崎らいむ
2016/7/18 23:15
快紗瑠さん~!!! 私も嬉しくて&びっくりして何回もこのレビューを読んじゃいました。 第1章にもあんなに素敵なレビューを戴いたのに……。嬉しくてもう、どうしましょ。 この物語って、主人公がつかみどころがないので、感想とかレビューって本当に難しいと思うのに、こんなに真髄を掴み取ってくださって、なんだかもう感無量です。 毎回快紗瑠さんのレビューは作者が唸ってしまうほどで、え、そんなにいいお話だったの?と思わず自分で数話読み返してしまったり。(←すみません、馬鹿で><) 本当に何度も呼んでくださったのだなあと、しみじみ感じてしまいました。 ああ、あそこはあのオッサンの事だなとか、あいつの事だな、
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