渡良瀬

宇宙工学という分野で学ぶ主人公二人の、それぞれが生立ちに抱える問題がある意味とても魅力的です。それがいかに彼らの性格を形成し、そして物事をどう捉え対処するのか、ストーリーのハンドルを握る部分がしっかりと描写されているので、最後までブレないキャラクター像に大いに感情移入しました。 遠距離恋愛ののち再開した二人ですが、その間に互いに秘密をもちます。その「不貞」についての捉え方にしても、純朴な優志とゲイ・コミュニティになじんでいるブライスとでは違います。リアルな海外情勢に詳しい著者ならではの描写ではないでしょうか。 その相違も優志にはとてもショッキングなのにヒステリックにならず明晰な頭脳と相手を思いやる慈しみを持って、「最初で最後の裏切り」として区切りをつけるあたり、先に優志に「自立した人格」が見えてきてきます。それを「けなげ」とはせず、あくまで「意思」として描写されているので、とても軸のある物語だと感じます。 その「自立した」優志にだからこそ、ブライスは深層心理では彼を頼もしく思いアバンチュールを告白できたのではないでしょうか。それまでは、ブライスの方が優志にうっすらと『依存して欲しい』と思っているのですが、優志の「精神的な強さ」をあらためて知り、互いを一個の人格として対峙すべきだと気づいていくストーリーが新鮮でした。まさに、著者が意図してきた「自立した男同士の恋愛」だと感じました。
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渡良瀬さま, 身に余る内容のレビューに震える思いでおります。理路整然とした美文に、そうか、彼らはそういうキャラだったのか…と逆に我が子を客観的に眺めることが出来たことを白状いたします…。 渡良瀬さまには、見直しを改稿をと、折に触れて示唆していただいたのに、ままならぬままここまできてしまい面目ないです。 人生は短く書ける時間は限られているのに、私の妄想は膨大でとにかく陽の目を浴びさせたいと焦っております。 それなのに、日常生活の疲れで更新を諦めそうになることも多々ありました。それを渡良瀬さまをはじめ、固定の読者の方々のご閲覧と応援に奮起することができました。 わずかな人数でも、私の拙作を楽しんで
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めんちょこさん お疲れさまでした。 慣れないレビューで、お恥ずかしい限りです。 改稿より書き上げることが大切ですよね、って私が言うな!www完結マークがない渡良瀬ですが((;^_^A 「一橋大学ロースクール」の件は、同性愛を性同一障害と同じにするという決定的な間違いはもとより、「異性愛」と「同性愛」を区別するのかとか、ロースクールという場所で起こったいう司法に従事する側の偏見とかいろいろ問題がありすぎます。ルポタージュ風な文体も、めんちょこさんにはお書きになれるのではないでしょうか。 どうか、その膨大な妄想を形あるものにしていってくださいませ。 私も、死に体ながら細々と続けて参ります。
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