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放送室 -Olympic- 神野「シーズンだねー」 純一「そうだな。4年に1度のお祭りだ」 神野「古代でさえも、このときは戦争すら忘れて、しかし祖国の威を示すこと忘れず、己の技量を示し、全霊をかけて臨んだという」 純一「すべてを忘れられる、神聖な時間、神聖な空間だよ。それで、気になっているのはあるか?」 神野「ついさっき水球の試合が終わった」 純一「おっ、どうだった?」 神野「いやー惜しかったよ(8-7でギリシャの勝ち)。最後に気が抜けてしまったのかな。選手はもちろんだけど、かえって俺まで悔しくてならないよ。 それでも、百戦錬磨のギリシャをあと一歩まで追い詰めた。自分たちの戦いをすればあそこまでやれると、身をもって証明してくれたのは誇らしいよ」 純一「ある意味、世界で最も荒々しいスポーツと聞いてるが?」 神野「そう。当然反則はあるけれど、とかく接触が激しいスポーツ。なにせボールを持っている選手には暴力以外何をしてもいいんだから」 純一「そりゃあ笛も鳴るよなあ」 神野「どんなスポーツでもそうだけど、全力でやるからこそ反則も出てしまうものなんだろうね」 純一「クリーンなプレーが当然望まれるにしても、ね。どうしても勝利への欲望は出るから」 神野「どう折り合いをつけるか、か。みんながその術を覚えられればいいけどね……」 純一「そうだね。でも、今は、やっぱり、楽しもう」 神野「ああ」

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