彩葉

暑い夏に照り付ける太陽のような少年と。 静謐な冬に降り積もる雪のような少女。 対極にある二人の存在が、この物語のもどかしさをうまく演出しているように感じました。 思春期の揺れ動く心。 好意をごまかす中の矛盾。 それがすごくうまく表現されていて。 思春期独特の恋心の移ろいに、胸を突かれます。 少女の抱く、劣等感と恋心をないまぜにしたような感情は、誰もが一度は抱いたことがあるのではないかと思うくらいに、分かりやすく。 とても、感情移入しやすいのです。 どこか完璧に見える少年も、自分にはないものへの憧れをどこかに抱いていて。 それが最後に明かされたとき。 ああ、完璧なんてないんだなって痛感させられました。 二人の対極にある性格、立場。 それを恋に絡めた巧みな描写に引き込まれてしてしまいます。 恵まれていてみんなから羨ましがられる少年の心の苦しみに触れたとき。 誰にも見せない表情を独り占めできたと喜ぶ少女の愛情の歪みに触れたとき。 恋って理不尽だなと思うと同時に、理屈では表現できない恋愛の奥深さを感じました。 どこか懐かしい、思春期の夏を思い出すような、そんな物語。 文字数以上のものを感じることができるような気がしました。
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神楽さん。 素敵なレビューをありがとうございました。 個人的に……恋ってなに?愛って食べられる?的な性格なものでして。 正直、このような純愛と言いますか。 青春の甘酸っぱい一ページというものは、書いていてゾワゾワしちゃっておりましたので、うまく表現出来ているのかどうかもわかりませんが、このような温かいレビューを頂けて、本当に嬉しく思います。 恋愛や青春小説って……難しいですね(苦笑)
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そうだったんですか。 そう言う雰囲気は全く感じませんでしたよ。 むしろ、それを感じさせないステキなストーリーです。 恋愛小説や青春小説は確かに難しいですね(^^;) 私も、あまり恵まれた学生生活をしていなかったので。 学生が主人公の小説は、いつもどう思われるか、戦々恐々としております(笑) 今回の作品は、初めて読んだときから、とてもステキな恋愛小説だなと思っていましたよ。 心が温かくなるような、ステキな小説だと思います(*^^*)
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