Satori

ユニークな着想のストーリーで、「これでもか!」というくらい仕掛けのある作品。 謎かけと、それに対する答えを持ってくるタイミングが近いのですが、ひとつ解決してもまたひとつ新たな謎が浮かびあがり、それらを繋げていくと、どんどん大きな謎に迫っていく構成となっていて、上手いな、と思いました。 ありえないとは思いつつも「いや、本当にこんなこともあるのかもしれない……」と読み手に思わせる力があります。 架空と史実の混じった伝承や過去の話が、中盤あたりから比重を増し、そこからが特に面白かった。 ラストの展開は小説の所々に出てくる描写を思い出し、ああそういうことだったのか!と納得(笑) 何から何までとても凝っているのですが、とても読みやすく、最初から最後まで飽きることなく楽しめました。

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