いやぁ、凄く独特の雰囲気が有るお話ですね。 主人公の心の揺らぎの描写が実に上手いです。 作者様の作品は何作かご拝読させて頂きましたが、静かにしかし激しく変化して行く心の描写がいつも本当に上手いと思います。 さて。 一口に『恐怖の存在』と言ってもいろいろ有りますね。 ストーカー。 自分に恨みを持つ怨霊。 夜道で出くわした通り魔。 心霊スポットの幽霊。 同じ電車に乗り合わせてしまった変質者。 などなどです…。 そして、それらには全て『現れた理由』が存在します。 しかし… 今作品の恐怖の存在はそのどれとも違います。 何ら表情を浮かべる事なくただただ主人公の服の裾を掴み立っている少年なのです。 主人公にとっては『現れた理由』が全く分からない…。 唯一、心当たりが有るとすれば、かつて主人公が捨ててしまった『人形の化身』なのですが、それともまた違うような印象です。 そこにまた一層、不気味さと恐怖感を感じます。 果して、この少年…邪悪な悪意を持った存在なのでしょうか。 言い換えるなら、全く無害で特に何もしてこない存在で、変な言い方ですが慣れてしまえば日常生活に支障をきたす事は無い存在です。 もしかしたら… ただただ主人公を慕って近くにいたいだけの存在なのではないでしょうか。 いろいろ考えますと様々な物語の背景が頭に浮かんできます。 それにしましても、最後に驚いたのは『お嬢さんにも見えていた』という点です! いやぁ! これには心底、驚きました! 最後まで少年の正体も現れた理由も全く分からずに終わるお話ですが… 逆に物凄い余韻とインパクトが残りました。 思考に事欠かず、あれこれと想像が膨らむ優れた作品ですね! ありがとうございました!!
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にいださんT_T いつも素敵なレビューありがとうございます。 これ昔、まだエブリスタがない頃モバで書いたやつなんです。 そのままずっと放置してて しかも誰も読んでくれなくてグレグレで書くこともしなくなっちゃって(笑) だから読んでくださって本当に嬉しかったです。素敵すぎるレビュー! いつもありがとうございます! お礼に伺うの遅くなってごめんなさい>_<

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