Satori

こういったジャンルの小説を読むのは初めてでしたが、極道ファンタジーという言葉はまさしく、この小説を表すのにぴったりなのかもしれない。 硬い言葉に柔らかい言葉を結びつけると揶揄のように感じる方もいるかもしれませんが、そうではありません。 人同士のつながりや構成もよく練られていて、臨場感やリアリティは一級品です。 あのですね、すごく怖かったんです(笑) 「もみじ」のあの凄まじさ。心臓の音や張り詰めた雰囲気がこちらに伝わってきて、思わず吐き気をもよおすほど、強烈なインパクトがありました。 怖さ、はアクションシーンでも度々見られますが、話が進むほどに少しずつ形が変わっていきました。 キャラクターたちはみんな魅力的で、信念、そして仲間のために命を落とすことをいとわない人たちばかりです。 だから愛着がわくほどに、この先どうなってしまうんだ、一人も死んで欲しくないと思うようになり、先を知るのが怖くなります。しかし同時に、ひとつひとつが目を逸らせないシーンでもあり、読むほどにこの世界にのめりこみました。 この小説の好きなところは、命を賭けた戦いを通して敵味方かかわらず友情のようなものが芽生えてゆく点です。 ひとつの約束からそんな心の繋がりが生まれるのも、彼らの歩んできた人生がベースになっているからであり、直接語られることのない、心の細かな部分まで透けて見える作品でした。 ラストのサプライズ。まさか、いやまさかといった感じでした! 続編もあるようなのでそちらも読ませていただきます!
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satoriさ~ん!レビューびっくりしました。あまりの感激で涙が出そうです(;o;) ごめんなさい、もみじ怖かったですよね。でも読み進めると解るように後々の重要な伏線になってたりするので、どうしても外せなくて(汗) 作品に漂う危険な香りと、残酷な描写が付き物のハードボイルドジャンルですが、でもそんな中にも運命(サダメ)の中で懸命に生きる男達の生き様や、熱い友情を気持ちよく表現出来れば良いな……と思って描いたのですが、satoriさんはまさにそこを汲み取って下さったようで、改めて感激です。本当にありがとうございました( ´∀`)
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