(応援) テンポよく読みやすく、しっかりとした美しい描写に心を掴まれ、ドキドキワクワク、ぞくぞくしながら引き込まれるように読んでしまいました。 すいすい読めてしまうのに、読み応えがあります。 そして丁寧で巧妙な表現が、読み手の想像をかきたてます。 わたしは音楽についての知識はほとんどありませんが、何度も繰り返し読んでしまうほど好きな作品です。 国や時空を超えた、音楽家たちのそれぞれの苦しみ、悩み、想い、望み…。 そこに現れるトリックスターの悪魔、レグバ。 文章だけでなく、ストーリーの設定、構成も素晴らしく、鳥肌が立ちます。 登場人物も実在した音楽家たちも含め、個性的で魅力的。 一人ひとりの生き方、考え方に、深く興味を持ちました。 どんな場所であっても、例えそれが過去であっても、未来であっても、自分を呼ぶ声の主のもとに現れ、望みを叶え、そして心を揺らさず美しく魂を刈り続けるレグバに、なぜだかとても惹かれてしまい、虜になってしまいました。 あとがきにある「音楽は持てる能力の中で自身を表現するもの。代償なくそれ以上を望むのならば、それこそ悪魔と契約するほかない」という作者の言葉に強く感銘を受け、レグバの仕事についても考えさせられました。 面白いという言葉では足りないくらい、素敵な作品です。 読ませていただき、ありがとうございました。
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