絢川るな

病院の一室を舞台に濃厚に展開していく物語。 白い部屋の中に存在するのは精神科医と患者なのだと思い込み読み進めていた脳内は、中盤から全く違う恐怖に襲われます。 どこから狂ってしまったのか…。 何不自由なく育った美しい女性が初めて経験する裏切り 一見恵まれ過ぎた男性の身体的負い目と闇 歪んだ愛情 復讐という名のもとの常軌を逸した思考 でももしも自分がこんな裏切り方をされたら… 大切な人を焼き殺されたら… この物語と同様の考えにまでは至らないとしても、心の片隅にある否定しきれない感情。 誰の心にも狂気は眠っているのかもしれない等と思いを巡らせながら、どっぷりとのめり込ませていただきました。 火災の場面では燃え盛る炎の中、踊るようにもがき苦しむ人間を目の当たりにしたような錯覚を起こし、 火傷の描写には思わず目を背け、 白い部屋の中で永遠に続く絶望のループに愕然として、次第に自分自身も恐ろしい闇に支配されていきました。 でも何故か読後に不快感が残らないのは、作品の隅々まで手を抜かない快紗留さんの意志が伝わってくるからだと思います。 お疲れ様でしたと思いつつ…もっと読んでいたかったという欲求が抑えられません。 様々なタイプの作品を生み出す快紗留さん、 毎回知識の豊富さや、それらを読み手に分かりやすく伝える技術と誠意に感動しています。 これからも楽しみに訪問させていただきますので、よろしくお願いします(*^^*)
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るなさん。 重々しくも、救いのなかった今作品を読んでくださっただけでも嬉しいのに、まさか、レビューまでしていただけるとは……。 本当に嬉しいです。 しかも、細やかな部分まで読み取ってくださり、作者としては物凄く励みになります。 実は、この作品。 「〇〇号室」シリーズとして、ちょっとした時に別の患者のエピソードを書こうかなぁとか思っていたので、なんだか、背中を押して頂けたような気がしました。 そして、いつも思うのですが、るなさんのレビューはとても文章がしっかりとしていて、実は、小説を書かれている方なのでは??と思っていたりもします。 語彙力も豊富ですし、感性も豊かな表現をなさるので感嘆の
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快紗留さん、いつも心のこもったコメントをありがとうございます(*^^*) 私は文章を書くのはあまり得意ではないので、レビューは特に難易度が高く、苦戦しているうちにいつも出遅れてしまいます(^^; でも素晴らしい作品に出会えた喜びを何とか伝えたくて、出来るだけ自分の思いを表現する言葉をあれこれと選びながら投稿させていただいています。 時々どうしても気持ちを表しきれずに、レビューを諦めてしまうこともありますが(;o;) …というわけで、毎回快紗留さんの返信コメントを読んだ後は「あぁ、気持ちが伝わったんだ」と胸がいっぱいになります! 「○○号室」シリーズ 早くも期待が膨らんで…♪ヽ(´▽
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