岡田朔

異世界転生というと私の中のイメージは、現実の世界から魔法とかが使える世界に行って、主人公が勇者になるとかいうありきたりなものしかなかったので、ウイルスに侵されゾンビが徘徊する世界に生きる私が戦いに生きる内に闇に落ち化物になり、パラレルワールドで同じく愛する人に会う為に戦いを続けているもう一人の私に成り替わろうとして逆に殺され、魂か意識のみがもう一人の私の傍で猫として生き続けているというのはなかなかダークでびっくりな転生ストーリーでした。 もう一人の私の中に同居する意識は一体誰のものなのかと考えていたのですが、別の話にそれが出てくるのかもしれないですね。 異世界でありながらパラレルワールドであるというのは、地球が一つであると思っていたら全くそっくりな環境の惑星がもう一つあって同じように人類が進化を遂げていたということなのかなとか、人間界、精霊界、魔界とかそういう感じで同じ場所に二つの人間界的なものが存在するのかなとか色々考えてしまいました。 自分が自分に会って死ぬというのは、ドッペルゲンガーのようでもあります。 もう一つが希望に満ちた世界であるのではなく、希望には満ちていないけれど、そこで生きる私は希望を持っているというのは、化物に変化した私からしてみたら、どうして私だけがと思ってしまうのも無理はないですね。 一つセリフでとても気になった部分が、私が殺したまだ人間である男に童貞だろうと言うシーンです。あれには一体どういう意味が込められているのかなとちょっと考えてしまいました。 つまり男は私を襲おうとしたから殺されたのでしょうか。 そういうこともままある悲惨な世界に生きてきて、鬼のようにならなければいけなかったという私の背景の描き方なのかもしれないなと考えながら、作者さんの込めた色々な想いを想像しました。 不思議で難解な部分も多くありましたが、たのしく拝読させて頂きました。 ねこじゃんイベにご参加いただきありがとうございました
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