絢川るな

助けが必要な人ほど、その感情を自分の中に封じ込めてしまう。 心で悲鳴を上げながら…。 その心の叫びを拾ってしまう綾斗は、どれだけ辛い思いをしてきたことでしょう。 聴こえるけれど救うことは出来ない無力感。 特に綾斗の父親によってもたらされた透子の苦しみが、何も出来なかった自分の罪であるかのように、壊れた透子の心を受け止め続けて…。 閉鎖的な家の中。 今にも破滅しそうな二人を、一見冷酷にも思えた菅沼が実はギリギリのバランスで支えていたのですね。 菅沼、かなりの存在感(嫌いじゃないかも)。 忘れられないキャラクターとなりました。 綾斗の担任教師滝との繋がりで、閉ざされた家の空気が少しずつ動き始め、透子と綾斗が揺さぶられていく様子が堪らなく素晴らしかったです。 決して器用ではないけれど、真っ直ぐで温かい滝。 心に傷を持つ人は誰かをを思いやり、守れる人なのかもしれません。 乳児院のシーンでは、これまでの様々な感情が溢れ涙が止まりませんでした。 施設長の人柄を知れば、その建物の中にNOISEがないことの意味がよくわかります。 そして綾斗が懸命に放つ思い。 綾斗にとって静かなその場所で、滝や津田施設長、そして鈴音がいてくれたからこそ、声に出すことが、言葉で伝えることが出来たのだと思います。 勇気を出して声にすること、耳を傾けたり手を差しのべること、綾斗が教えてくれた当たり前でとても大切なことを私達がしっかりと受け止めれば、NOISEのない楽園に少しは近付けるのかもと感じました。 赤ちゃんて、命そのものですよね。 自分が救った命を抱いて微笑む綾斗の姿が嬉しくて、私自身の心まで浄化されたような気がしました。 完結お疲れ様でした(*^^*) そして素晴らしい作品をありがとうございました!!
1件・1件
るなさん、最後まで丁寧に読んでくださり、そして、作者の方が温かい気持ちになるレビュー、ありがとうございました! 今回の異能の持ち主の綾斗も、やっぱり異能のせいでいろいろ、重いものを抱えてしまう子でした。 実際……自分がこの能力を持っていたら、耳を塞いじゃうかも><なんて思ってしまったんですよね。 みんなのヒーローになるには、よっぽど強靭な力が要りそうで(>_<) そんな綾斗を、ヘタレと思わずに応援してくださって、うれしいです。 るなさんのレビューで、あのシーン、このシーン、いろいろ改めて思い出すことが出来ました。 菅沼のこと、注目してくださってうれしいです! とくに本題とは

/1ページ

1件