沢村 基

空一さん、お約束のレビューにまいりました。感想を書かせてください。 今回、始めから読み直しさせていただきました。 前回の印象は、青春期の揺れる心理を丁寧に描く青春群像ものという印象でした。描写が丁寧で、文章表現にも鋭いものがあり、これが二作目とするとかなり潜在的な文章力がおありなのだと思います。 (後半にいくにつれて、文章の接続がちょっと気になる部分がありますが、これはおそらく時間切れでしょう。きちんと推敲すれば解決する問題のような気がします) 一人称で、三人以上に視点を変えながら物語を語るのは、ちょっと素人っぽい印象がありますが、少し慣れてくれば視点を統一できると思います。私はこういう日常ものは苦手なので、うらやましい部分です。 ちょっと問題に感じていることを書きます。あくまで私見ですし、個人の意見なのであまり悩みすぎないでくださいね。 この作品の一番の問題は、最後まで読んでもテーマがよくわからない、という点だと思います。空一さんが、一番読者に伝えたかったことはなんなのか。表現したかったことはなんなのか。それがよくわからないんです。 設定としてはよくできていると思います。序盤で問題提起もあるし、脇役のキャラクターもそれぞれ個性があって混同することもありませんし、文章上もたくさんの登場人物をうまくさばいて描けていると思います。 ただ主人公だけはちょっと首をかしげます。友人たちと一緒の描写が多く、女の子からも告白されたり頼られたりしています。バイト先でも人間関係うまくやっていて、いわゆるリア充に思えます。一匹狼とか孤独とかいうイメージがあまりしっくりきません。冒頭に病気うんぬんの話も出てきますが、ちょっと見栄っ張りなだけで虚言癖というほどの異常性は感じられませんでした。 コメント欄に続きます。
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たとえば、シキくんのすれ違ってしまった父子関係。ここで過去(そもそもこの過去部分は誰が語ってるんでしたっけ?)を語っただけでは、出発点にすぎません。ここから、主人公ふくめ彼らがどのように葛藤し、対立し、解決にいたるのか。 主人公が、不釣り合いに大人っぽいウキナちゃんとつきあうことになり、本当の自分をさらけ出せず、そのことで自分で自分の首をしめていくところ。ここも、どのように自分の中で葛藤し、迷い、嘘をつくのか。その過程がすっとばされてしまっているように感じます。 シキくんはどうやって父を受け入れ、焼き鳥屋を継ごうと決心したのか。 ウキナちゃんはどうして別れを決意したのか。 彼女と素の自分で
沢村さんレビューありがとうございます。 毎度お返事が遅くなってすみません…。 文章の接続…確かに自分で読み返してみても気になる箇所が所々ありました。しっかり推敲しようと思います。 視点に関して、12月の段階では主人公のマコトのみだったのですが、急に複数の視点で書くことに挑戦したくなった次第です。 (三人称含め、どちらが正解だったのかは未だによく分からないのが現状です。情けないですが) そして…テーマですね。 僕の中では、人の見えてる部分と見えてない部分てのを表現したくて、月が地球に一定の面しか向けていないのと重ねてみたりして、そこから狼少年に繋げてみました。 主人公の最初の自語りで奥手
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