作品の舞台は辺鄙な宿。隠れ家とタイトルにありますが、作中の描写は日常と切り離された空気感を見事に表現し、主人公の心情をより引き立ててくれます。 基本は主人公と年上の男性の2人で物語が構成されていますが、たまに出てくる仲居さんが良い仕事しますね! タイミングといい、登場の仕方といい、作品全体をキュッと引き締める、無くてはならない存在です。 登場人物の仕草、作品全体をまとめ上げる雰囲気作り、情景の細かい描写。こうした仕事1つ1つにこだわりを感じられます。 特に、綺麗な空気と満天の星空の下で酒を飲むシーンが印象的です。繰り広げられる会話も、2人が互いに気を許しているんだなと思えて、それだけに切なくなります。 短いながらも、読み応えのある作品でした。是非出先などでは読まずに、じっくり腰を据えて読むことをオススメします!
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レビュー本文とは別にコメントにて失礼します。 気になった点もいくつか挙げてみます。なお、僕自身の理解力不足な所があったら申し訳ございません。 冒頭文より、“ここを私の墓地にしよう、そう決めてきたのだから“とありますが、最後の墓参りとリンクして面白いと感じます。しかし、訪れたことも無い場所を初めから墓にしようと思っている。彼に紹介された場所を墓にしようと思っている。というマイナスな印象が冒頭では感じられ、最後の墓参りを清々しく感じられることに対して対照的に思いました。 冒頭の一文で随分と身構えて読んでしまい、最後のページの途中まで作品全体に暗いイメージを引き摺ったまま読んでしまいました。
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旅の恥は掻き捨て、という言葉に乗じての作品づくりだったんですよね。自分で決めた場所でなくても構わないんです。こういう場合、日常から遠く離れた場所で、誰も自分たちのことなど知らない土地で、もしどう取り乱してもそんなのは旅の恥として置いてこられるから。もう二度と来ないとするなら、彼女は本当に彼を忘れて生きていこうとしているでしょうが、来年も来ようということは思いを忘れずに生きていこうとしているという意味でした。その覚悟が、この一泊の旅行で決心できた様を描いたつもりなので、全体的に湿っぽい印象は残っても問題ないです。足取りが軽くなったのは、それでも彼女が解放された心情を表わすものということ、という感
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レビューありがとうございます(^^) これ、サイドストーリーとして、店員側のお話も書こうかと思ったんですが、ちょっと事情があり、書くのはやめました。 いい仕事をする仲居にも、本当はちゃんと起こした行動には理由があったんですが…読者の想像力にお任せしようかなと。
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