神山 流衣

冒頭の独白、ゆきの問いかけるような言葉に、思わず心の中で肯定して共感致しました。 一章の物語の舞台が明治元年に創立され半世紀を迎えた伝統ある女学園の格式に説得力を与えています。 華道の天才と称され皆から慕われた笹子の良くない噂にもめげずに彼女を慕うゆき。それを案じわざと遠ざける笹子。ぐっと二人に感情移入しました。 美しい描写から紡がれ、一つ一つ解きほぐされていく謎、噂の真相をゆきとともにこの眼にした時に、なんて素晴らしい物語だと敬愛と尊敬を込めて章の終わりに栞を挟ませていただきました。 この作品はオムニバスであられるとのこと。著者の更なる飛躍を心よりお祈り申し上げます。 拝読させていただきありがとうございます。 神山 拝
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