星にぼし

『さあ行こう、アミー。 祭りってのは、楽しまなきゃね』 そんな言葉に飾られた第三章は、天の回想から始まりました。 幼き頃に家族を亡くした天が秘めていた、たった一つの小さな願い。 少年は一人空を見上げ、もう戻る事の無い日々に想いを馳せる……冬の空の様に切ない天の回想が、アミーの放つ総合格闘家ばりの右フックによって現実へ引き戻された時は驚きましたね。 アミーと言えば淑やかなイメージ描写が先行していた物語の中で、『やさぐれアミー』の二つ名を印象付ける良いパンチです。 現実に意識を引き戻された天の目の前に居たのは、歪められた世界の中でたった一人変わらず佇む少女、アミー。 呆気に取られた天へアミーが告げたのは、風車祭の終わりに奏でられる、エーレンガルド姫の遺した唯一の曲についてでした。 そして終わり行く風車祭の中で天が描いた、一匹の竜の絵。 ただの絵であったその竜が実体化して、その背に天とアミーが乗った時。 改めてこの作品はファンタジーというマントを羽織った王道のボーイ・ミーツ・ガールである事を理解しました。 現時点で一番好きなシーンを挙げるなら、『頭を撫でようとしてきた天の腕を取り、背負い投げを仕掛けるアミー』ですかね。 いよいよクライマックスへ向かう風車祭と、天とアミーの恋の行方。 その結末に立ち会う為には、今暫くの時間が必要なのですね。 この物語がどう終わるのか、楽しみで今から眠れません。 更新頑張ってください!★
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