有月 晃

(応援)  山間の小さな村に「じいちゃん」(ちょっと訳ありで直系尊属ではないけど、じいちゃんと主人公は呼んでいる)を四年振りに訪ねるシーンから、この短編は幕を開ける。  じいちゃんの家の裏手に広がる海。  その描写が優しい。  夕飯、風呂、そして、蚊帳の中で就寝。  すべての描写が、ただただ優しい。 「こういう懐かしい描写で最後まで場面を繋ぐ、雰囲気重視の短編なのかな?」とちょっと失礼な思いが浮かび始めた頃に、タイトルに関わる展開が待っていました。  じいちゃんの口から語られる、とある青年の過去。それはもちろん主人公が生まれる遙か以前の話だけど、目の前のじいちゃんが確かに生きてきた時代。そこで起こった重大な出来事。それは現在まで繋がっていて、主人公の悩みと重なる……  僅かな文字数で綴られる、決して多弁ではない男達の世代を越えた交流。簡潔だけれど、巧みな構成でした。最近の光さんは現在と過去を無理なく織り合わせた構成で、男以上に男達の物語を綴ってみせてくれます。  この短編には確かに一本筋の通った、著者独特の人生観と男達の理想像が窺えます。二条 光という書き手の多彩な一面の中で、私にとって特にしっくりとくる一編でした。  地に足着いた大人向け短編をお探しの方、オススメですよ。
・3件
晃さんこんばんわ! サークル加入名簿に名前だけ記入してまともに顔を出してないそんな幽霊部員と化していますが、がんばります♪ 今回は優しい描写を意識したワケでもなんでもなく、自分が海というお題で他人に勝てる方向性はなんだろうかと考えた時こういう作品になりました。 どうしても海というとキラキラしたウフフキャハハ的なのが多いだろうな、またはホラーかなと思ったのですが。 正直そういうキラキラした海の想い出というのはほとんどなく、そこに突撃してもリアルに経験ある人やホラーが得意な人の発想にはとてもかなわないなと思いまして。 自分なりにがんばりました。えへへ(^ω^) というか、元々は(詩野さんにもツ
1件2件
光さん こんにちは。コンテスト「海」についてのご回答、ありがとうございました。 > どうしても海というとキラキラしたウフフキャハハ的な…… そうですね。私も年齢的にそーゆーの書けと言われても厳しい物があります(笑 ただ、「この街で君と出逢った」の描写を見ていても思うのですが、一定の人生経験積んだ人でないと書けない物ってやっぱりあるよなって。なので、今回のはこのトーンで良かったんだと感じています、ハイ。 あと、壇ノ浦を舞台にした歴史物にする予定だったとのこと。「神にそむいても」を拝読した私としては、それも興味あります。お題発表から締め切りまでがタイトな妄想コンテスト作品として
1件

/1ページ

1件