家族とは最初の社会環境だ。 「人となり」は遺伝と環境、その2つが大きく作用する。生まれた時からそばにいる「家族」は言わずもがな。 重たいテーマです。生きていく上で、過去に自分が育った環境の重さは無視できない。今地面に足を張って立っていても、やはりその根底には、自分がどう愛されてきたか、どう育ってきたかが根を深く張っているもの。 あえて、辛口で感想を述べさせていただきます。本作、とても心に染みる作品ではあったものの、数点の違和感を覚えたからです。 case1で描かれていた父への殺意。小学生の女の子が酔った父から日常に暴力を受けていたのだから、当然です。 けれど「諦め」や「殺意」に至る前に、絶対的な恐怖があるはずではないでしょうか。 自分よりも大きな身体の、家族の中で絶対的立ち位置の者への恐怖。逆らえない、逃げられない状況に対する葛藤。子ども視点で描かれるなら、そういう心理描写がほしかったと思います。 そして、case2の父との穏やかな対話。前章で「殺したい」と殺意を育てていた彼女は一転、その相手と会話をしている。前章を読んだ上では絶縁していてもおかしくないくらいの印象だったので、あれ?と思いました。 酔った父以外の父は優しい父親であったのならその描写がほしかったなぁと。 しかし、「家族を休みたい」という表現は、作者様ならではの言い回しで、うまいなぁと唸らされました。 これほど「痛い」ストーリーを読ませてしまう筆力もさすがなものだと感じます。 家族を扱うテーマには少し思うところがあり、長々と書かせていただいたことをお許しください。 一読者の感想であることをご理解いただければ幸いです。
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すみません、長々ついでにもう一点。 タグの「統合失調症」ですが…、作品を通じてどちらかというと鬱病だったり、自律神経失調症に近いような印象を受けました。 統合失調症を扱うのであれば、妄想や幻覚にスコープをあてると、より「ぽく」なるような気がします。 …なんだか偉そうに長々すみません!!
すみません。どうしても、文字数制限に無理のある題材で、たくさんの必要なものを削ったせいで、気持ちばかりが表に出た作品になってしまったこと、とても恥ずかしく思います。 「恐怖」も確かにあったでしょう。それを、“ビクッと肩を揺らして返事をする”描写のみで片付けてしまいました。それが、恐怖よりも憎しみが上回っていたことを表すには削るしかなかった箇所でもありました。 改稿して倍かそれ以上の文字数で書き直そうかと思っているのですが、知人を題材にこの物語を作ったために感情移入が強すぎて、精神力がかなり必要なんですよね。私も苦しくて。 追伸の返信ですが、彼女に起こっているものをほとんど事実として書いてい

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