選ぶ、捨てる。そんな日常に溢れる何気ないアクションも、冒頭からしっかりと主人公の心情を描写し感情移入させることでここまでの読み応えを演出できる。 何気なく選び、捨てていただけなのに、手元に残った品々は主人公の心の中を投影していて…… この作品、心情描写だけだと、ただドロドロしただけの、しかも有り触れた読みにくいものになっていただろう。 それが、衣替えという切っ掛けと服を取捨していくこととリンクさせてることで、主人公の心情が鮮やかに、鮮明に、読者に流れてくる。 少し暗い、ちょっと重い。恋愛において、決して幸せとは言えない状態の心情はそんな印象が強く出てくるものだ。 それを、暗いまま、重いまま描かないのがこの作者様の技術だ。 今回も爽やかで読後感も晴れやか、時折零れる主人公の独り言が良いアクセントとなっており、軽やかなリズムで紡がれる作品はなんとも心地が良いです。
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心理描写が多過ぎて、読みにくくなっていないかの不安がありましたが…良かった(*´Д`) ちょうど衣替えを今年は面倒だからしないで過ごそうかと迷っていた際に不意に思いつきました。私は、断捨離も衣替えも今年はしなさそうです。そしたら、季節の移り目用に2~3着程度しか半袖がなくて、タンクトップは冬も肌着感覚で着るからあるし、ワンピースはクローゼットに掛かっている。これだけあれば困らないなぁって考えてたら、いい題材かなぁって思ったんですよね。 暗くなり過ぎない描写を、それでも重たいものを含んで描こうとしたらこうなりました。心地良いと言っていただけたのは本当に良かった。 次はもっと幸せ溢れるものが書

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