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夏と花火と白雲と
あおい 千隼
2017/9/26 2:59
レビュー失礼致します。 大阪は泉佐野の七宝瀧寺。 旅の小聖を慕う官女の志津が、未練のために降らせるという冷たい涙雨。 馴染みのある土地でしたので、興味深く読み始めることができました。 そんな伝承のある泉佐野で、主人公の少女はおよそ夏とは思えぬ寒さに、今年は夏が来ないと愁います。 夏祭りに向け覚えた踊りを、盆踊りの場で披露しますが、友達に笑われてしまい面白くありません。 気分を害し踵を返す少女は、道すがらひとりの少年と出逢います。 偶然とも必然ともつかない出逢いとは、それを運命と言うのでしょうか。 ともあれ少年が訊ねるままを答えると、そこで邂逅という名の石が坂を転がり始めるのでした。 帰途へつく少女に、ふたたび声をかけるのは多勢の男子。 私憤を抱く少女は、石を加速させる言の葉を男子に伝えます。 携帯電話にかかる覚えのない内容。 けれどその声は紛れもなく先ほどの少年でした。 転がり着いた石の先には志津の涙水。 主人公 志津子と少年の夏は、これから始まるのでした━━━ 偶然をよそおう恋のお話。有り難うございました。
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あおい 千隼