いやぁああっ

遅ればせながら感想を。 素晴らしい。この一言に尽きます。 的確な心理描写と扇情的な行為の描写は読者を否応なく物語の中に絡め取っていきます。アブノーマルでありながら、日常で起こりうる身近な非日常。そこに加えられる母親としての成長と1人の女としての成長。断片的に書き連ねられた構成はそれがバラバラに単体として分立することにより意味を与えられており、それによってヒロインであるアヤに気がつくと惹かれていました。無為を装って対象にフォーカスを当てていく手法。これにより、読み手は自分でもわからないうちに不貞であるはずの彼女を好きになっていきます。これを意図してかけるというのはもはや才能というものでしょう。作品の雰囲気も林真理子先生の作品に近しいものがありすんなりと受け入れられ、またその完成度の高さに唸らされた逸品です。
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