サークルより参りました。 近頃の子供たちの夢は、堅実だと聞く。 地に足がしっかり着いていて頼もしいが、一方でどこか寂しいと感じてしまうのはわたしだけだろうか。 この作品も、そういった寂しさを感じさせるものなのかと最初は思った。 なにせタイトルが『「夢」は叶わない』だ。 しかし、違った。 これは、ひとりの少年の揺るぎない夢を叶えるまでの軌跡のストーリーだった。 『夢は強く願えば叶う』という言葉を耳にしたことがある。 わたしはそれを信じている。 いい大人のくせして子供じみたことを言うと、呆れる人もいるだろうが、かつてはそんな大人たちだって、無謀とも思える夢を輝いた目で語っていたはずなのだ。 いったいいつどこでその眼差しを忘れてきてしまったのだろう? ダイチは忘れなかった。 本当にこの手に掴み取りたいものを、自分の足が踏むことができる高さから、一歩一歩夢へと近づいて行った。 その確かで力強い歩みは、まだ幼かった主人公の目には戸惑いと憧憬の対象に映っただろうと思う。 近頃の子供たちは、冷めているわけではないのかもしれない。 いつか望む夢のステージに到達するための足掛かりを、きちんと見定めているだけなのかもしれない。 そんなふうに思うと、この国の未来はまだまだ安泰だ。 そんな安心感を与えてくれる物語だった。
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素敵なレビューありがとうございます! 人からばかにされてしまいそうなほど大きな夢は、憧れのような気持ちでぼんやりと胸に秘めるだけになりがちです。 ただ漠然と夢を見るのではなくて、夢を叶えるにはどうすればいいのかを具体的に考えて、ひとつひとつステップを踏んでいけば、夢は「夢」ではなく「目標」になり、手が届くものになるのではないか、というメッセージを込めてみたのですが、伝わったでしょうか。 それから、1章目と2章目は文章を少し子どもっぽくしようと心がけたのですが、違和感はないでしょうか。 他にもなにか気になるところがありましたら教えてください!
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